人気ブログランキング | 話題のタグを見る

京都中堂寺郵便局「まちかど美術館」

郵便局内の壁面をミニギャラリーにしておられます。
10月は私の月としていただけるようになり、毎年開催させていただくようになってきました。
京都の風景画6点を展示いたします。

京都中堂寺郵便局「まちかど美術館」
会期:10月1日(木)〜30日(日)
見学:郵便局の営業時間内となります。
住所:京都府京都市下京区中堂寺庄ノ内町1
URL:https://map.japanpost.jp/p/search/dtl/300144251000/

 京都中堂寺郵便局「まちかど美術館」_e0369389_14195670.jpg







































京都への思い
 古都を偲ぶ町並みが今でも残っている京都、その場所にはそれぞれの時代の人間の美意識の変化にも耐え、守り続けられてきた魅力的な場所です。そこには、只単に便宜性や合理性を求めているだけではなく、日々暮らす町がどのようになれば心地よくなるのか、その時代に生きる人のことだけではなく、過去・現在・未来に生きる人の、心の連鎖のなかで培われた「風景を造る」という審美的感覚が活きています。
 しかし、風情ある町並みでも失われることもあります。鎌倉時代からあるお寺さんもあり、現代の住宅地もあり、伝統とは言い難い古びた町並みもあり、混沌とした町、善かれ悪しかれ全てを含めて、現代の京都が好きで「洛中洛外の情景」と銘打って、現代の京都を描き続けています。

風景画を描くことについて、考えた事を少し紹介してみます。
 実は、長いこと絵を描いていて、今頃になってやっとわかったことがあります。常識と思っていたこと、青空は「青色」を塗れば空の絵になると思っていました。画材も「筆」を使って塗るものが絵であると決めつけていました。これは描くための1つの方法であって、今の私にはこのような固定観念は絵を描くうえで邪魔になります。
 自然の風景は混沌として、筆で塗れないような複雑な形があります。青空も絵具とは違う青色ですし、ベタ塗りの単色でもありません。時間帯や季節によって変化し、青色であり続けることはないのです。

 ありのままを「素直に見る」というのは、とても難しいことだったのです。先入観でモノを見てしまっていて「知識」で描いた絵になってしまっていたのです。
 山を描くことを例えにしますと、山は木が生えている所と思い込んで、葉っぱの緑色を塗ってしまいがちです。ですが、しっかり山を観察すると昼は薄青っぽい場合もありますし、夕方になると赤黄にもなり、夜になると空よりも黒くなっています。実際に山の中に入って行くと、葉っぱの緑色は木の種類によって違いますし、他にも草花や岩や土、動物や昆虫も隠れていて、様々な色が複雑にから絡み合って山は見えているはずです。他にも、空気遠近法という、遠くにあるものは青く見ていくという、ダビンチが発見したと言われている絵画の技法もあります。

 複雑な山をどのように描くのか、やはりいろんな工夫が必要になってくるのです。そこにまた絵画表現というものも加わります。山は主役か脇役か、描こうとする風景にどれだけの思い入れを必要とするか。このように、山ひとつとってもいろんなことを考えて描くことになります。

 でも、あまり気難しく考えると絵が描けなくなります。絵の事でユニークだと思うのは芸大の受験です。「このモチーフをデッサンしてください」と、答えを見せてもらってのテスト、世界一簡単な出題で、とっても難しい問題となります。

 とても好きな京都の風景、もっと綺麗なはずなのに、自身の絵にはまだまだ表現ができていないと思っています。それは、私には綺麗なところがしっかり見えているはずなのに、変な固定観念をまだまだたくさんもっているのだと思います。

 私が絵について考えたことを少し紹介してみました。絵画の奥深さ、モノを見る楽しさ、特別な観光地に行かなくても、身近な風景にも美しさがあることを知っていただけると幸いです。


by sss_yasuhiko | 2020-09-26 14:20 | Comments(0)